心電図の項目
心電図にはST部分、T波という箇所があり、ポンプである心臓の収縮したり弛緩したりする状態を反映しています。この部分に異常がある場合は、不整脈以外のあらゆる心疾患の存在を疑う必要があります。心電図だけで判断することはできません。STが変化する典型的な病気は心筋梗塞であり、他にも狭心症や心筋症、心膜炎や左室肥大など心臓の病気が原因で起こることがあります。
そのため注意が必要な所見ではありますが、実際には胸痛や強い圧迫感などの症状、糖尿病や高血圧、脂質異常症などの基礎疾患がないような方であり、こういった方の大部分は実際には問題ない場合がほとんどです。
問題がないかを確認するためには、ホルター心電図、運動負荷心電図、場合によっては冠動脈CTや心臓カテーテル検査を行うなど精密検査が必要となることもあります。
非特異的ST-T変化
非特異的ST−T変化も実際によく見られるのですが、心筋梗塞や狭心症、心膜炎や心筋炎といった病気にある典型的な変化ではないものの、正常におさまらない所見が対象となります。ただ、あくまでも心電図には機械の自動解析があり、一定の正常範囲に当てはまらなかったものをすべて異常とすることになっています。
病気を見逃さないために
実際に心臓の病気かどうかを判断するためには、症状や基礎疾患など本人の状態、場合によっては追加の検査をして判断をします。
このため「心電図で異常がある」と言われても悲観することはありません。ただ、以下のような方は病院を受診して心臓の病気の疑いがないかどうかご相談されることが望ましいと思います。
- 胸が痛いなどの症状がある方
- 症状がなくても糖尿病や高血圧、脂質異常症などの基礎疾患がある方
- これまで問題なかったのに初めて異常を指摘されたような方
今回は健診でよくある心電図異常の1つであるST-T異常についてお話をしました。心電図検査の結果で不安なことや気になることがあれば、お気軽にご相談ください。