• 心不全は心臓が悪くなった状態のことを指すため、その原因はいろいろなものがあります。

    心筋梗塞、不整脈や心臓弁膜症、高血圧など、その原因によって治療の仕方や注意点が異なってきます。

原因を調べ、その原因に対して適切な対処をすることが大事になります。
循環器内科医として、これまでたくさんの心不全の患者さんを診てきました。大きな病院でしかできないこともたくさんありますので、その方の状況に応じて、必要であれば速やかに診断・治療をお願いできる病院を紹介します。

手術や入院治療が必要な場合もありますが、当院ではその後、再度悪化して再入院しないように、また普段の生活の質を落とさずに過ごせるよう、状態を見ながら治療を行っていきます。

観察に必要な心電図、レントゲン検査、動脈硬化の評価として頚動脈のエコー(超音波検査)、心臓の機能や弁膜症の評価のための心臓エコー(超音波検査)、24時間の脈の異常や狭心症の状態を見るホルター心電図検査、さらに1週間の心電図を観察できる検査も導入しました。(毎日ではないけど時々動悸などの症状がある方に、とても役立ちます)

院内の採血検査により、トロポニン(急性心筋梗塞や不安定狭心症などを検知する)は20分ほど、proBNP(心不全の程度、状態や治療効果の目安となります)、血栓予防のための抗凝固薬(ワーファリン:心臓弁膜症の手術後の方、不整脈のある方で内服することが多い)を内服中の方のPT-INR(薬の効き具合を知ることができます)は、数分で結果を知ることができます。病気を発症した方も、その後の生活の質を落とさず、安心して過ごせるようにサポートしていきます。

心不全とは

心臓は握りこぶし程度の大きさの臓器で、胸の中央寄りの左胸にあります。心臓の大部分は筋肉(心筋:しんきん)であり、全身に血液を送り出すポンプの役割をしています。
心不全は一つの病気ではなく、心臓の病気や高血圧などによって心臓に何らかの異常が起こり、「ポンプ機能がうまく働かなくなった状態」を指します。

2017年、日本循環器学会・日本心不全学会は、『心不全とは、心臓が悪いために、息切れやむくみが起こり、だんだん悪くなり、生命を縮める病気です』と定義したことを発表しました*1。
*1(参考)『心不全の定義』記者発表について
https://www.j-circ.or.jp/five_year/teigi_qa.pdf

ポンプ機能が低下しても心臓は毎日頑張って動き続けますが、水面下では次第に働きが悪くなっていき、様々な症状が現れるようになります。

心不全セルフチェック

次のような症状やご自身に思い当たることは、ありませんか?

☑︎ 階段を上ったり重いものを持ったりすると、息切れがする
☑︎ 胸の痛み、胸の不快感、動悸がある
☑︎ タバコを吸っている 靴を履くときなど、前かがみの姿勢になると苦しくなる
☑︎ 夜間に咳が出たり、寝る時など横になると息苦しくなったりするが、体を起こしていると楽になる
☑︎ 手足や顔がむくんでいる
☑︎ 理由なく、急に体重が増えた(1週間で2kg以上)
☑︎ 寝ていても息苦しくて目が覚める、よく眠れない
☑︎ 手足が冷たい 慢性的な疲れがある
☑︎ 夜間、トイレに起きることが多い
☑︎ 生活習慣病(高血圧・糖尿病・脂質異常症)の持病がある
☑︎ 過去に抗がん剤投与や放射線治療を受けた
☑︎ 血縁関係のある家族(両親・祖父母、兄弟姉妹など)に心臓病や突然死した方がいる
☑︎ 心臓の病気(左室肥大・心筋梗塞・弁膜症・不整脈・心筋症・心不全など)がある

これらの症状にいくつか思い当たることがある場合には、早めにかかりつけ医または医師までご相談ください。

 

心不全の症状

心臓の働きが悪くなり始めた段階では、代償機構(補うこと)が働いて自覚症状をほとんど感じませんが、代償機構が破綻すると様々な症状が現れます。

心不全には、全身に十分な血液を送り出せない「ポンプ機能の低下」によって起こる症状と、全身から心臓に戻る機能が弱くなって、「血液がうっ滞する(血液の流れが悪くなって溜まる)」ことによって起こる症状があります。主な症状は次の通りです。

●ポンプ機能の低下によって起こる症状
-動悸
-だるい・疲れやすい
-心臓が大きくなる(心肥大・心拡大)……代償機構
低下したポンプ機能を補うために大きくなります。

●血液のうっ滞によって起こる症状
-息切れ
最初は坂道・階段などで感じるだけですが、次第に少しの動作でも息切れするようになります。さらに悪化すると、横になると息苦しいが体を起こすと楽になる「起座呼吸(きざこきゅう)」がみられるようになります。
-むくみ
夕方になると、強く現れます。全身の血液が心臓に戻る機能が弱ることが原因です。
-食後にお腹が張る・鈍い痛みが現れる
肝臓に血液うっ滞が起こることが原因です。

これらの症状の出方は、心不全の重症度によって異なります。また、高齢者の方では自覚症状がはっきり現れにくく、息切れしていても「年だから」「体力が落ちただけ」と見過ごしてしまいがちです。
心不全は突然死の原因となることもあるため、いつもと体調が異なると感じるときには、早めに医療機関を受診しましょう。

心不全の種類

心不全は、症状が安定しているかによって、大きく分けて2つに分類されます。
●急性心不全
時間や日単位で急激に心臓の働きが悪くなったもので、風邪や過労・ストレスなどがきっかけとなって、引き起こされることがよくあります。 激しい呼吸困難などの症状が現れ、突然死の原因になることもあるので、入院治療となることが多いです。 また、急性心不全の多くは、慢性心不全から急激に悪くなる「慢性心不全の急性増悪(ぞうあく)」です。

●慢性心不全
時間をかけて、徐々に心臓の働きが悪くなってきたものです。心不全状態が慢性的に続いていますが、全体のバランスが取れているので状態が安定しています。

ほかにも、心不全の重症度を評価するものに「NYHA心機能分類(自覚症状の程度による評価)」やACC/AHA分類(ステージ分類)があります。

(図)心不全の重症度評価

心不全の原因

心不全は、心臓の機能低下の最終形です。
心臓機能を低下させる原因には、次のような要因があります。

心臓の病気

●虚血性心疾患(きょけつせいしんしっかん)
心不全を引き起こす要因の中で一番多い病気です。心臓を動かすために重要な冠動脈(かんどうみゃく)が狭くなる「狭心症(きょうしんしょう)」や血栓(血の塊)ができて詰まる「心筋梗塞(しんきんこうそく)」などが代表的であり、心臓の筋肉や血管に障害が起こることによって心臓のポンプ機能が低下します。

●心筋症
心臓の筋肉が異常に厚くなったり、薄くなったり、硬くなったりすることによって、心臓のポンプ機能が低下します。

●心臓弁膜症
心不全の3大原因の一つです。心臓内の各部屋(右心房・右心室・左心房・左心室)にあり血液の逆流を防ぐ「弁」が異常を起こすと、心臓内の血流コントロールがうまくいかなくなるため、ポンプ機能の低下を引き起こします。

(図)心臓の4つの部屋と弁

●心筋炎
心臓の筋肉がウイルス感染などを起こして炎症することで、心臓の機能低下が起こります。

●不整脈
心拍リズムが速くなったり遅くなったり乱れることで、全身に必要な血液を十分に送り出せなくなります。突然死の恐れがある危険な不整脈もあります。

心臓に負担をかける病気や事柄

●高血圧や腎臓病・糖尿病などの生活習慣病
特に「高血圧」は、虚血性心疾患・弁膜症に続く心不全の3大原因のひとつであり、血圧が常に高い状態が続くことで心臓に負担がかかり、徐々に心臓の機能が低下していきます。

●貧血
貧血の多くは鉄分不足によるものです。鉄分が不足すると血中の酸素不足にもつながるので、心臓は鼓動を早くして酸素不足を解消しようとします。

●悪性腫瘍に対する抗がん剤・放射線治療
抗がん剤・放射線治療(特に胸部)の副作用として、心臓や血管など循環器系にも影響が及ぶことがあります。

●甲状腺機能亢進症・バセドウ病
甲状腺ホルモンの過剰分泌が続くと、心臓に負担がかかります。

●過度のアルコール摂取
過度の飲酒は心拍の変動を起こし、心臓に負担をかけます。不整脈・高血圧・動脈硬化などにもつながります。

心不全の検査・診断

心不全は様々な要因によって引き起こされているので、効果的な治療を行うためにも心臓の働きを低下させている原因を調べることが非常に重要です。 次のような検査を行って検査結果や生活状況を伺いながら、経過を見ていきます。また、必要に応じて、速やかに連携病院へご紹介することも可能です。

問診・聴診

息切れ・むくみなど心不全の特徴的な症状の有無について、詳しくお伺いします。 また、心臓の音や呼吸音を聴診器で確認します。

血液検査

採血で脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)の副産物であるNT-pro BNP、トロポニンTを測定します。BNPやNT-pro BNPは心不全の程度を評価することができ、トロポニンTは心筋のダメージを確認できます。血液検査は20分程度で結果が確認できますので、検査当日にご説明が可能です。

心電図

心電図の波形から、不整脈・心筋梗塞・狭心症・心筋症などの病気の有無が確認できます。 当院では体に跡が残らない「使い捨てのシールタイプ」の電極を使用しており、衛生的で痛みはありません。検査時間も5~10分程度なので、お体に負担なく検査をお受けいただけます。

ホルター心電図

携帯型の心電計を装着して、日常生活における心電図を約24時間に渡り記録する検査です。 ホルター心電図は、病院にいるときのわずかな時間での心電図検査では捉えられない不整脈の出現タイミングや狭心症の有無などを調べることが可能なので、動悸や胸痛・失神などの症状がある方におすすめです。 心電図の電極シールを胸に5か所貼り、体に小さな機械を取り付けます。機械装着中はいつも通りの生活が可能ですが、入浴・シャワー・大量の汗をかく激しい運動などは出来ません。翌日に機械を取り外すために来院が必要となり、取り外しの翌日以降に結果をご説明させていただきます。

胸部X線検査(レントゲン検査)

「心臓の拡大がないか?」「肺に水が溜まっていないか?」「肺に血液のうっ滞がないか?」などを調べます。正常な心臓のサイズは、肺の大きさの50%以内です。

心臓超音波検査(心エコー)

心臓の形状を調べます。心臓の壁の厚さ、弁の状態、ポンプ機能などを確認できます。弁膜症の確定診断にも心エコーは大切です。

心不全の治療法

心不全はきちんと治療しないと再発を繰り返しやすく、次第に進行して重症化していきます。治療の基本は原因となっている病気の治療であり、心不全の進行具合や重症度に合わせ、薬物療法と非薬物療法(手術・心臓リハビリテーションなど)を組み合わせて治療していきます。

安静

「急性心不全」では、心臓を休ませるための安静が必要となります。同時に酸素吸入や一時的に心臓の働きを高める薬剤などを使用することがあります。

薬物療法

比較的症状が落ち着いている慢性心不全では、薬物療法が治療の中心であり、症状の改善や悪化を防いで、長期的な再発予防を目的とします。
代表的な薬には次のようなものがあり、患者さんの症状や体質、持病などによって組み合わせて処方を行います。

●心臓に負担がかかる負担を軽減させて、心不全の進行を防ぐ薬……第一選択薬
-アンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACE阻害薬):レニベース錠®、ロンゲス錠®、エースコール錠®など
-アンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB):ニューロタン錠®、ブロプレス錠®、ディオバン錠®、ミカルディス錠®、オルメテック錠®など
-β(ベータ)遮断薬:アーチスト®、メインテート®など
※飲み始めはだるさ・ふらつきがみられることもありますが、長期的に飲み続けることで効果が期待できる薬なので、調子が良くなったと自己判断で中断しないようにしましょう。
-抗アルドステロン薬:アルダクトンA®、セララ®など

●体内の余分な水分を取り除く薬
-利尿剤:ラシックス錠®、ダイアート錠®など 心臓の働きを手助けする薬
-強心薬:ジギタリス製剤など
※薬の飲み合わせや副作用に注意が必要なお薬です。

体調が良くなったと自己判断でお薬を中断すると、症状が悪化することがあるため大変危険です。お薬で何か気になることがありましたら、必ず医師にご相談ください。

外科的手術

心不全の原因となっている病気を治療するため、外科的治療を行うことがあります。

●両心室ペーシング(心臓再同期療法:CRT)
心臓のポンプ機能が弱く、心室の収縮にズレがある心室同期障害がある場合、ペースメーカーを胸の皮膚の下に埋め込み、心臓に伝わる電気信号の順序を整えて(再同期)、心臓のポンプ力をアップさせる治療法です。また、致死性不整脈の危険性もある場合には、「CRT-D(両室ペーシング機能付き植込み型除細動器)療法」を行います。

(図)ペースメーカーのイメージ

 

●弁置換術
弁膜症治療として、正常に働かなくなった弁を人工弁に置き換える手術です。人工弁にはウシ・ブタなど動物の組織を使った「生体弁」とカーボン・チタンなどの「機械弁」があります。

●冠動脈バイパス術
虚血性心疾患治療として、狭くなった冠動脈部分の前後に別の血管をつないで、新しく血液の通り道を作り、血流を改善させる手術です。

ほかにも、重症の大動脈弁狭窄症に対する「経カテーテル的大動脈弁植込み術(TAVI)」や心臓の代わりとなってポンプ機能を補う「補助人工心臓(VAD)」、重症心不全の最終的な治療法である「心臓移植」があります。
※当院では、診察の結果、外科的な治療が必要と判断した場合には、患者さまにご相談の上、提携する医療機関をご紹介しております。検査や治療の内容によっては入院が必要になる場合もございます。
(提携病院:東部医療センター、名古屋ハートセンター、名古屋市立大学病院、名古屋第二赤十字病院など)

心臓リハビリテーション

以前は「心不全=安静が大事」と言われていましたが、近年は必要以上に安静にしすぎると筋肉萎縮・筋力低下・肺活量低下・骨粗しょう症・起立性低血圧(立ち眩み・ふらつきなど)などにつながることが分かってきました。「急性・慢性心不全診療ガイドライン」の中でも心不全症状が安定してきたら「心臓リハビリテーション(心臓リハビリ・心臓病運動教室)」を行うことを推奨しています。

心臓リハビリは、医師・看護士・理学療法士など様々な関係者が患者さんの状態を把握しながら運動療法・生活指導・カウンセリングなどを行う総合的なプログラムです。心臓病や手術で低下した体力の回復、不安改善、社会復帰など生活の質(QOL)の向上、さらに進行を防いで再発・再入院を減らすことが期待できます。

心不全の予防・コントロール

心不全の予防・コントロールするためには、心臓にやさしい生活を送るようにしましょう。
原因疾患や程度など個人差はありますが、心不全患者さんの多くはうまく心不全をコントロールすることで普通の日常生活が可能です。

日常生活全般

日常生活では次のような点に注意して過ごしましょう。

☑︎日ごろから無理をせず、ストレスを溜めない
風邪や過労も心臓の負担につながります。
☑︎肥満・喫煙・過剰なアルコール摂取を控える
☑︎「いつもと変りないか?」と日ごろからご自身の体調に注意を払う
☑︎ 処方薬はしっかり服用する
内服薬は飲み忘れると症状の悪化に直結してしまうため、きちんと服用しましょう。
☑︎継続的に通院する
定期的に問診やレントゲン・心電図などの検査をして経過観察を続けることで、お薬の効き具合や病態が確認できます。心不全や原因疾患が悪化し始めた兆候を早期に発見できる可能性があります。

運動

症状が安定しているときは、軽いストレッチやウォーキングなど心不全の程度に見合った適度な運動を行うことによって運動能力アップや体の機能維持に効果的です。 ※症状が急に悪化したときなど症状によっては運動を行わない方が良い場合もありますので、あらかじめ医師に確認の上、行うようにしましょう。

食事(塩分・水分)

心不全では、食事において次のような点に注意が必要です。

☑︎ 減塩を心掛ける
心臓機能の低下がみられる患者さんは、特に体に水分が溜まりやすくなっています。軽症の慢性心不全の方では「食塩を1日7g程度」を目安に抑えましょう。

☑︎ 水分摂取量を把握する
水分を摂りすぎれば、その分心臓に負担がかかり、むくみが現れることがあります。しかし、逆に水分が足りていないことでも、体が水分を溜め込んでしまうため「むくみ」の原因となります。また、水分不足は熱中症だけでなく血栓塞栓症・虚血性心疾患など重大な疾患を引き起こしやすくなります。成人の1日に必要な水分摂取量は「体重×35ml(高齢者:30ml)」*3です。重症心不全患者さん以外は、「体液貯留」に注意していれば、極端な水分制限は必要ありません。ご自身の水分摂取量を把握するようにしましょう。

*3(参考)栄養・水分摂取の工夫のおすすめ|日本神経摂食嚥下・栄養学会 https://www.jsdnnm.com/column/%E6%A0%84%E9%A4%8A%E3%83%BB%E6%B0%B4%E5%88%86%E6%91%82%E5%8F%96%E3%81%AE%E5%B7%A5%E5%A4%AB%E3%81%AE%E3%81%8A%E3%81%99%E3%81%99%E3%82%81%EF%BC%88201308%EF%BC%89/

☑︎脂っこい食事・間食を控え、体重が増えないように気をつける
特に糖尿病・高血糖がある場合や肥満の場合には、カロリー制限も必要となります。

当院では、慢性心不全の方に対する食事指導も行っております。お気軽にご相談ください。

入浴

入浴することで血管が拡張するので心臓の負担が軽減でき、リラックスできるのでおすすめです。ただし、40度くらいのぬるめの温度で、湯船では肩まで深く浸からずに胸の下あたりまでにして、10分以内を目安に入浴しましょう。また、冬場など入浴前には脱衣所や浴室を温めておくと良いです。暖かい部屋と浴室との温度差をできるだけ小さくしておくことで、急激な血圧の上昇を防ぐことができます。

よくある質問

心不全の早期発見のポイントを教えてください。

心不全は心筋梗塞や心筋症・不整脈など色々な原因によって起こります。心不全の症状も様々ありますが、「いつもより息苦しい」「体重が増えている」「足や顔(特にまぶたで分かりやすい)がむくんでいる」などがみられる場合には、早めにご来院ください。 また、日ごろから小まめに体重を量るようにしましょう。

足にむくみが出たら、心不全ということですか?

むくみは心不全の主な症状のひとつですが、必ずしも「むくみ=心不全」ではありません。むくみは肝臓や腎臓の病気でもみられ、心不全の重症度によってもむくみの現れ方に違いがあります。心不全かどうかは、息苦しさなどの症状の有無、基礎疾患、血液検査などの検査結果も踏まえて総合的に診断します。

どんな症状があると、入院が必要となるのでしょうか?

仰向けに寝ると咳が出て眠れず、体を起こすと楽になるという状態であれば、すぐに入院治療が必要です。心不全症状が軽く安定している場合には通院治療が可能ですが、病状に何か変化があったら、早めに受診することが重要です。特に、急に心筋梗塞などを発症し「急性心不全」が起こったときには、呼吸困難や急激な血圧低下によるショック状態が現れることもあります。激しい呼吸困難や強い胸の痛みなど現れた際には、すぐに救急車を呼びましょう。