• 心房細動その中でも、私も経験さひた「発作性心房細動」についてお伝えいたします。
    10年以上前の話ですが、この病気を経験しました。当時の体験が、少しでも皆さんの参考になれば幸いです。
    1週間以内には自然と治まる不整脈の一種です。脳梗塞に注意が必要です。

発作性心房細動発症時の症状と当時の状況

私がこの病気を発症したのは今から10年以上前のことでした。昼間の勤務を終えて、夜に自宅で普通に過ごしていた時のことです。
「ドキドキする」というよりは、何か胸に違和感がある、圧迫感があって気持ち悪い、だるい感じ等の症状がありました。

まず自分で脈を測ってみたところ、脈拍が100を超えて速くなっており、不規則でバラバラな脈、つまり、脈が乱れている状態でした。
一見すると、ただ脈が速いだけにも見えるので、パッと見は脈が乱れているかどうか、判断が難しいかもしれません。ただ、私は仕事柄、知識があったので、「これはやっぱり心房細動だ」と自覚しました。

しばらく自宅で安静にして休んでいましたが、症状はなかなか良くならず、当時の勤務先の病院へ連絡して当直している先生に救急外来で診てもらうことにしました。

病院での治療と経過

事前に連絡していたこともあり、すぐに心電図を取ってもらったところ、やはり頻脈性の心房細動でした。
その後、脈拍をコントロールする、脈を抑える薬の点滴をまずは使ってもらいました。若干、脈は下がったのですが、不整脈自体はなかなか治まらず。次に、抗不整脈薬(不整脈を抑える点滴薬)を何種類か使ってもらいました。ただ、それでも改善はせず…。

最終的には、電気的除細動(いわゆる電気ショック)を行うことになりました。
ドラマなどでも見る、「ドンッ」と心臓に電気ショックを実施しました。

心臓のエコーで明らかな血栓がないことを確認してもらい、それから点滴で麻酔薬を入れてもらいました。たまたま私は麻酔が効きづらい体質だったようで、何度か麻酔を追加してもらって、ようやくボーッとしてきたところで電気的除細動を受けました。

電気ショック

 

実際、その時のことは、麻酔のおかげで特に覚えていません。目覚めた後には、胸がつかえたような違和感がすっきりと消えていました。ただ、焦げたようなにおいや、胸のあたりのヒリヒリとした痛みは少し残っていたのを覚えています。

幸いなことに、1回の除細動で心房細動はしっかり止まり、正常な脈に戻りました。その日はその後も特に発作もなく、普通に過ごすことができました。

再発予防とその後の生活改善

実は、その後もう一度だけ発作性心房細動を経験しました。その時はあらかじめ頓服の抗不整脈薬を処方されていたため、それを内服して数時間で治まりました。

当時を振り返ると、その時の生活にはリスクになることが非常に多くありました。

(リスク要因)

  • 当直が多く、勤務時間が長く、多くの患者さんを担当していた

  • ストレスや睡眠不足があった

  • 暴飲暴食や飲酒があった

ただ、当時は年齢的にも若く、脳梗塞のリスクになる項目には該当しなかったので、抗凝固薬(血をサラサラにする脳梗塞予防の薬)や、カテーテルアブレーションなどの治療は受けていませんが、その後の10年以上は心房細動は起こらずに済んでいます。

その後、生活習慣が乱れていると感じ、生活習慣の改善を心がけたことが大きく効いていると思います。
運動を取り入れて体重を減らし、食事内容に気をつけ、飲酒量も減らすようにしました。

私の教訓としてお伝えしたいこと

今回の教訓として強く感じたのは、リスクの高い状態にならないよう、普段から生活習慣への意識が大切なことを身にしみて感じました。

一度でも、発作性心房細動を起こした方、またはリスクにあたることに1つでも当てはまる方は十分、ご注意ください。

そして、心房細動を疑う症状が出た時には、まず脈を自分で測ってみるのが大切です。
苦しい時も慌てずに、行動しましょう。
自分で車を運転すると危ないので、避けていただき、ご家族の運転で移動する、もしくはタクシーなどの移動手段を考え、落ち着いて行動しましょう。

以上、自分の発作性心房細動の体験談でした。

正直、以前の状況を振り返ると、とても自慢できる状況ではありませんが、しっかりと対策を取ることで、リスクを下げ予防することは可能になると思います。

心房細動の動画>>でも配信していますが、心房細動のリスクになるようなことは、できるだけ避けるようにお過ごしください。