心エコーとは
超音波を用いて心臓の状態を調べる検査のことです。
一般的に、健康診断などではお腹の超音波検査を受けたことがある方も多いと思います。
耳では聞くことのできない高い周波数の音波(超音波)を使って、体の中の臓器を映し出します。
放射線を使うX線(レントゲン)やCT検査のような被曝のリスクがなく、痛みもなく簡単に行えるというメリットがあるため、病気の診断はもちろん、治療後の経過観察や妊婦健診でお腹の赤ちゃんの様子を見るなど、幅広く活用されています。
心エコーで確認すること
心臓の大きさ・形・壁の厚さ・動く様子をリアルタイムで観察することができます。
心臓の形状や血液を送り出す力を調べることで、機能に異常がないかを確認します。
また、血流を色で表現することによって、
心臓の中の血流の異常や、血液の逆流を防ぐ役割をする心臓の弁の異常を見つけることができます。
心エコーの検査方法
超音波検査は、超音波を発生させる「プローブ」と呼ばれる端子を体の表面に当てるだけで行えます。
ただし、体と密着しないと画像が見にくいため、ゼリー状のジェルを塗って、その上からプローブを当てていきます。このジェルは肌への害は特にありません。
見えやすい場所を探したり、部位によって当てる位置をずらしながら検査を行います。
ベッドに横になり、左を下にした左側臥位で検査することが多いです。
◯検査に使うジェル
特に冬場は冷たく感じて苦手な方もいらっしゃいます。
当院では、冬の寒い時期にはあらかじめ温めたジェルを使用しています。
検査後は温かいタオルでジェルをしっかり拭き取ります。
◯検査時間
だいたい5分から15分程度です。
検査中に息止めをお願いすることもありますが、会話は基本的に可能です。
ただし、体勢の関係で画面を見ることは難しいため、検査後に説明を行っています。
心エコーで何が分かるの?
心臓は4つの部屋に分かれており、それぞれに逆流を防ぐための4つの弁があります。
大動脈弁・僧帽弁・三尖弁・肺動脈弁です。

心エコーでは、心臓の形態・大きさ・厚み、弁の状態や動き、ポンプ機能の状態を知ることができます。
これにより、心臓全体の状態を評価できます。
◯弁の異常
弁膜症と呼ばれ、心エコーが非常に得意とする疾患です。
弁が硬くなって開きづらくなる狭窄症や、逆流が起こる閉鎖不全症の診断にとても有用です。
◯心臓の動きの異常
虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)や、心筋症、心膜炎などで確認することが重要です。
ただし、狭心症>>は発作時には心臓の動きが低下しますが、発作がない時は正常に見えることも多く、たまたま症状がある時に検査できる機会が少ないため、エコーでは分かりづらい場合があります。
◯心筋梗塞
心筋が壊死しているため、治療後であっても心臓の動きの低下を確認することができます。
◯先天性心疾患として、生まれつきの異常である心房中隔欠損や心室中隔欠損など
心臓の壁に穴があいている病気(シャント性疾患)も心エコーが得意とする分野です。
さらに、心臓のポンプ機能がうまく働いていない状態である心不全についても評価できます。
ポンプ機能が低下すると、全身に血液がうっ滞とい状態になると、足のむくみや胸水がたまるといった症状が出ます。
これらも心エコーで心臓の負担の程度を確認することで評価が可能です。
どのような時に心エコー検査を行うの?
以下のような症状がある場合は、早めに医師へ相談してください。
- 胸の痛みや違和感、圧迫感
- 動悸
- 階段での息切れ
- 足のむくみ
- 急激な体重増加など
また、糖尿病や脂質異常症、高血圧などで内服治療をしている方、あるいは指摘されていたものの長期間放置していた方は、
無症状でも心臓に負担がかかり異常をきたしている可能性がありますので、医師に相談してみてください。
どこでも検査ができるの?
心エコー検査は、循環器内科の経験がある医師や、エコーの訓練を受けた臨床検査技師が行うことができます。
正しく評価するためには、経験が非常に重要です。当院では、基本的に院長である私が検査を行っていますが、女性の臨床検査技師が担当できる日もあります。
今回は、心臓の病気にとってとても重要な検査である心エコー検査についてお話ししました。
心臓の病気で受診した際に心エコー検査を勧められても、内容が分からないと不安になるものです。
正しく検査の内容や、どのような時に行うのかを知っておくことで、実際に受診した時に慌てることなく、病気について理解を深めることができると思います。
今回のお話が皆さんのお役に立てたら嬉しいです。



