心臓神経症の特徴
心臓神経症の症状は、診断につながらないことが多く、実際には命に関わる病気とは異なることがほとんどです。しかし、胸の痛みや動悸などの症状は、日常生活で大きな不安を引き起こすことがあります。
Q:胸の痛みや動悸があるのですが、心筋梗塞や狭心症などの重い病気の可能性はあるのでしょうか?
A:胸の痛みや動悸があると、「もしかして重大な病気かも」と心配になるのは当然です。特に心臓は生命の中心とも言える重要な臓器なので、ちょっとした違和感でも不安を感じやすいです。
症状は、心筋梗塞や狭心症と間違われるような強い痛みや動悸として感じることが多いです。ただ、心臓神経症の場合は、心臓そのものに病気があるわけではありません。心臓神経症は、ストレスや精神的な緊張が心に影響し、そこから体に反応が現れるものです。
例えば、ストレスがかかると心拍数が上がりやすくなり、胸に痛みや圧迫感を感じることがあります。それでも病気ではないのです。原因がストレスだと分かると少し安心するのではないでしょうか。
ただ、実際の症状は狭心症や心筋梗塞に似ていることが多いので、強い痛みがあると不安を感じるのは自然なことです。
実際に心電図やエコーの検査などで異常がなければ、心臓そのものには問題がないと考えられます。この「異常なし」という結果が、非常に大事な安心材料につながります。
Q:若年層でも心臓神経症になることがあるのでしょうか?
A:はい。実は心臓神経症は年齢に関係なく発症します。
学生の方や若い方でも、勉強や部活、人間関係などで、知らず知らずのうちにストレスを抱えているケースで発症することが多くあります。
自分では気づかなくても、体そのものがストレスに反応しやすいため、こういったことが起こります。特に体がまだ成長途中の若年層では、心と体が強くつながっています。そのため、精神的な負荷が体に影響として出やすいと言われています。
胸の痛みや動悸などの症状は、もしかしたら「心が助けを必要としているよ」と伝えているサインかもしれません。
Q:検査では異常がないと言われたのに、症状が続いているので不安です。
A:検査で「異常がない」と言われても、症状が続くとやはり不安になるものです。しかし、体には異常がなくても、心が体にサインを送ることで症状が出ることがあります。
例えば、緊張や不安を感じると胸がドキドキしたり、汗をかいたりしますよね。それは心が体に信号を送っているからです。心臓神経症も同じように、心が体に影響を与えています。
ですから、検査で異常がないと確認された場合は、心臓そのものに問題はないと考えてください。
Q:症状を改善したくて生活改善に取り組んでいますが、なかなか効果が出ません。どんな対策が効果的でしょうか?
A:生活改善を実践されているのは素晴らしいことだと思います。心臓神経症の症状には、リラックス効果のある生活習慣が効果的です。
例えば、ウォーキングや軽いストレッチなど、体が心地よいと感じる運動を取り入れることをおすすめします。また、深呼吸を意識するのも良いです。
4秒かけてゆっくり息を吸い、8秒かけてゆっくり吐くといった呼吸法を試してみてください。呼吸に意識を集中することで、心がリラックスしやすくなります。
Q:不安やストレスが症状を悪化させることがあると聞きました。おすすめのストレス解消法や心のケアについて教えてください。
A:不安やストレスは心臓神経症に直接影響するので、できるだけ無理なくリラックスできる方法を見つけることが大事です。
これは個人差がありますが、例えば天気の良い日に少し外を歩いたり、好きな音楽を聴いたり、自然の中で過ごす時間を持つのもおすすめです。
さらに、どうしても一人で解消できない不安やストレスがある場合は、家族や友人、専門家に話を聞いてもらうことも効果的です。心療内科やカウンセリングは心のケアのプロなので、ぜひ気軽に利用してみてください。
心臓神経症は、つらく感じられることもあるかもしれませんが、無理せず焦らず、心と体に優しく向き合うことが大切です。
Q:自分も心臓神経症かもしれない…まずはどうしたら良いの?
A:まず、症状を感じているのにまだ医療機関を受診していない方は、ぜひお近くの内科、できれば「循環器内科」を受診してください。心臓の病気がないかどうかを確認することが非常に大切です。
他の医療機関ですでに心臓の検査をして「異常がない」と言われた方でも、症状が続いている場合は、当院ではこれまでの検査結果や詳細な問診を行い、まず診断がつけられるかどうかを確認します。そのために必要な追加検査を行うこともあります。
よく行うのは「ホルター心電図」といって、長時間装着する心電図検査です。症状が出たときの心電図の変化を確認します。
実際に心臓神経症と考えられた場合は、これまでお話ししたような生活指導を行ったり、症状を楽にするために漢方薬を使うことが多くあります。漢方薬を使いながら経過を見て、症状が落ち着いてくると、薬を減量し、最終的にやめられる方もたくさんいらっしゃいます。
ただ、こうした治療でうまくいかない方は、まれにですが心療内科に紹介することもあります。
これからの質問の回答をもとに、お悩みが、少しでも軽くなることを祈っています。気になることがありましたら、ご相談ください。少しでも安心して過ごせる日々を送れるよう、お伝えした内容を参考にしてみてください。





