心電図とは
心電図は両手両足に電極、胸に6箇所電極を貼ることによって心臓で起こる電気の流れを見る検査です。
血液検査や胃カメラの検査と違い、挟んだり電極を貼るだけのため、痛みがない検査です。
心電図で調べられる疾患
不整脈
胸がドキドキする、脈が飛んでしまう、フラフラする失神したなどの症状が不正脈の症状であります。
こういった状況や原因を調べるために心電図はよく使われます。
脈の乱れであったり不整脈の種類が分かることがあります。
虚血性心疾患(狭心症や心筋梗塞など)
狭心症
狭心症は実際に症状がある時に検査をすると、実際の心電図の変化として捉えることができます。ただ実際には数分から数10分ぐらいの症状のことが多いので、痛みが出てから病院にかかっても実際にはその心電図が取れないことが多いです。
心筋梗塞
心筋梗塞は起こしてから刻一刻と心電図は変化していき心筋梗塞後しばらくすると、心筋梗塞の後を示すような波形に変化していきます。
数時間から1日2日ぐらいの間で心筋梗塞の後を示す波形が完成していきますが、心電図を取るタイミングによって心筋梗塞を起こしてからどれぐらい時間が経っているかを確認することもできます。例えば、10年前に心筋梗塞を発症した方も心電図でわかることがあります。心筋梗塞を起こした場合でもあまり心電図の跡として残らない方もいらっしゃいます。
その他の調べられる疾患
心膜炎や心筋炎などの心臓の異常
肺の病気
高血圧の方の左室肥大
心臓から全身に血液を送る左室というところの壁が分厚くなる方がいらっしゃいます。
こういった方の心臓の変化を予測するにも心電図が役に立つことがあります。
高血圧で通院の方に心電図を取りましょうと言われることがあると思います。
ここで見たいのは心臓の負荷が増えていないか、狭心症や心筋梗塞に至るような恐れのある変化がないか、また不正脈がないかというものを見るために心電図を用います。
健康診断の心電図で異常があると診断されたら
心電図は心臓の中の電気の流れを見る検査なので、必ずしも異常と判断された時に、実際に心臓の病気があるわけではありません。
健康診断で心電図検査に引っかかったと受診される方が非常にたくさんいらっしゃいます。
健康診断で行う心電図検査
あくまでも健康診断は「何か異常がないか」を見つける場になるため、心電図で少しでも異常や違和感を感じる所見がある場合は、再検査になる場合が多いです。
実際に心電図には正常であろうという波形の決まったものがあり、そこから外れたものや少し違うものを異常と診断することになります。
しかし心臓の向きや大きさなど、当然個人差があります。
正常じゃないからと言って必ず心臓の病気があるわけではありません。
逆に正常だったからと言って全く心臓に病気がないかというとそうではないこともあります。
心電図で正常と判断されたのに、異常がある場合の例
狭心症でも症状がない場合、心電図が変化していないことがあります。
他に心臓の弁膜症と言って、心臓のそれぞれの部屋にある弁から逆流をし、心臓に負荷がかかってしまう病気については、心電図ではよくわからず、かなり重症になって心不全などの悪い状況にならないと心電図に変化が出ないことが多いです。
毎年健康診断で再検査を指摘される場合
毎年同じ所見で診断されていて、1度しっかり検査したことあるのであればまず心配ないと思います。
検査したことがない方や、初めて見た異常の診断や初見の場合は循環機内科を受診して、しっかり相談されることをお勧めします。
心電図で異常が見られた場合の追加検査
ホルター心電図という24時間長い時間付ける検査や、運動負荷をかけて取る心電図、心臓エコーの検査などの所見から疑われる病気を調べるための検査を追加で行うことが多いです。