• 循環器疾患の診療を中心に、心臓病や高血圧などの病気の治療に長年携わり、生活習慣病の予防と管理にも力を入れてきました。

    今回は、「血糖値が高いと言われたら、どうすればいいのか」についてお話しさせていただきます。

    血糖値が高いと診断されると、「どうしたら良いのだろう…」と不安に感じる方も多いと思います。
    そんな皆さんに向けて、分かりやすく、そして具体的な対処法をお伝えしていきます。

血糖値が高い状態とは?

「血糖値」という言葉は聞いたことがあると思います。でも実際に「血糖値が高い」と言われた時、それが具体的に何を意味しているのか、はっきりと理解している方は少ないと思います。「糖尿病」という言葉ももちろん聞いたことがあると思います。

血糖値とは、簡単に言うと、私たちの血液中にどれだけの糖が含まれているかを示す数値です。この糖の主な源は、私たちが食べる食事から来ています。糖は体を動かすための重要なエネルギー源となりますが、その量が多すぎると問題が起きることがあります。

“高血糖”とはどれくらいの数値を指すか

一般的に、空腹時血糖値は109mg/dL未満が正常とされていますが、この値が126mg/dL以上、または食後2時間の血糖値が200mg/dL以上であれば、高血糖と診断されます。

これは日本糖尿病学会>>などの基準に基づいています。ただし、健康診断やクリニック、検診センターによっては、基準値が微妙に異なることがあります。ご自身の状況に合わせて、医師のアドバイスを参考にしてください。

高血糖は、ただ血中に糖が多いというだけではなく、糖尿病をはじめとするさまざまな健康問題のサインとなることもあります。ですから、血糖値が高いという診断を受けた場合は、それをきっかけに生活習慣を見直す良い機会と捉え、早めの対策を講じることが重要になります。

高血糖のリスク

高血糖が続くことでどのような健康リスクがあるのか、その詳細についてお話ししていきます。皆さんがもし血糖値が高いとした場合、直ちに対応を考えることがとても大切です。なぜなら、高血糖が長い期間続くことによって、体にさまざまな健康問題が起こるリスクが高まるからです。

1.心臓病、特に心筋梗塞や狭心症などの虚血性心疾患のリスクが高まる

血糖値が高い状態が続くと血管にダメージを与え、それが動脈硬化を促進していきます。動脈が硬くなり、狭くなると、心臓への血流が悪くなり、虚血性心疾患の原因となります。心臓以外にも、足の血管やその他の血管にも影響が出ることがあります。

2.腎臓病のリスクが高まる

腎臓は私たちの体から余分な水分や老廃物を取り除く重要な役割を果たしていますが、高血糖が続くと腎臓の血管が傷つき、その機能が低下します。これが慢性的に進行すると、最終的には、腎臓病、腎不全といった状態へ進行する可能性があります。

さらに悪くなると、血液透析が必要になる方もいます。視力障害も高血糖の深刻なリスクの一つです。

糖尿病性網膜症という病気があり、これは網膜の血管が損傷することで起こります。初期段階では自覚症状がほとんどありませんが、治療を怠ると失明につながることもあります。これらは高血糖が引き起こす健康問題のほんの一部です。

他にも、手足のしびれなどの末梢神経障害や、足の血流低下から起こる下肢の壊疽(えそ)など、さまざまなリスクが存在します。でも心配はいりません。これらのリスクは適切に管理し、健康的な生活を送ることで、高血糖の影響を最小限に抑えることができます。

具体的な生活習慣の改善方法

血糖値を健康的な範囲に保つためには、日々の生活習慣の見直しが非常に重要です。特に、食事・運動・生活リズムの3つの要素に注目して、具体的な改善策をお話しします。

生活習慣の改善

まずは食事からです。血糖値を安定させるためには、バランスの取れた食事が必要です。具体的には、食物繊維の多い食品を積極的に取り入れましょう。全粒穀物や豆類、野菜や果物などが良い例です。これらは血糖値の急激な上昇を抑えるのに役立ちます。

一方で、砂糖や白いパンなど、精製された炭水化物はなるべく避けるようにしてください。これらは血糖値を急上昇させる原因となります。

定期的な運動

定期的な運動は、体が糖をエネルギーとして使いやすくすることで、血糖値を自然に下げる効果があります。ウォーキングやジョギング、水泳など、自分が楽しめる運動を日常に取り入れてみてください。週に150分程度の中強度の運動が推奨されていますが、まずは無理なくできることから始めることが大切です。

生活リズムについて

十分な睡眠とストレスの管理も、血糖値に大きく影響します。夜更かしや不規則な生活は血糖管理を難しくしますので、規則正しい生活を心がけ、ストレスがたまらないよう適度にリラックスする時間を作ることが大切です。

これらの生活習慣の改善は、すぐに結果が出るものではありません。でも、毎日コツコツと続けることで、長期的には大きな効果をもたらします。

まとめ

高血糖の管理においては、医師との連携が非常に重要です。

定期的な検診を受けることで、自分の体の状態を正確に把握し、適切な対応を早く始めることができます。

まずは定期的な健診を受けることで、血糖値だけではなく、体の他の重要な指標もチェックできます。これには、血圧、コレステロール、腎機能などが含まれます。これらの結果をもとに総合的な健康状態を評価し、必要なアドバイスを受けることができます。

受診する際の医師との相談時のポイント

  1. 自分の生活習慣や食生活について正直に話す
    改善のための具体的なアドバイスを受けることができます。「こんなことを言うと、怒られるかな」「恥ずかしいから言えない」と考えてしまうと、実際に有効なアドバイスを受けられないことにつながってしまいます。正直に答えましょう。
  2. 症状の変化や気になる点があれば、積極的に質問をしてみる
    メモしておいて、実際に診察の時に見ながら話すのも大切です。
  3. 処方される可能性のある薬や、現在飲んでいる薬の効果や副作用について、しっかり理解する
    お薬手帳の活用や、薬剤師さんからの説明も受けましょう。

高血糖の治療方針

主に薬物療法・運動療法・お薬の調整があります。

薬による治療は、血糖値を効果的にコントロールするためのものであり、ご自身の判断ではなく、医師の指示に従って正しく使用することが重要です。

また、生活習慣の調整には、先ほどお話ししたような食事や運動、生活リズムの見直しが含まれます。

これらはすべて、長期的に健康を維持するためには欠かせない非常に大切な要素です。どんな小さな変化も医師と共有することで、より良い健康管理が可能になります。自分一人ですべてを決めるのではなく、専門家である医師を頼ってみてください。

一緒に健康で充実した生活を目指しましょう。